経営者が認知症になると起きる3つのこと
高齢者の約5人に一人は認知症というデータがあります(内閣府「高齢社会白書」)。
認知症や病気で判断能力低下・喪失になると財産が動かせなくなることはよく知られたことと思います。
中小企業の経営者は会社の株や事業用不動産など多くの資産を持っています。
経営者が何の対策もしないで認知症になったら・・・。
経営者が認知症になると起きる3つのことをまとめましたので最後までお読み下さい。
1つめ:個人資産が動かせず、会社の経営もストップする!?
中小企業の経営者は総じて皆様お元気で、仕事に会食に接待に・・・精力的に日本経済を牽引なさっています。
しかしある日のこと、趣味のゴルフ中に転んでしまい入院を余儀なくされたことをきっかけに、そこから坂を転げ落ちるよう心身共に衰えはじめ、ほんの1ヶ月足らずの間に認知症を発症してしまう・・・。あり得ないことではないのです。
中小企業の社長では個人資産と会社経営が密接に関係することが多く、個人所有の不動産を会社に貸し付けたり、個人保証をしたり、個人資産を会社経営に使うことは良くあるケースです。
しかし、社長が認知症になると個人資産を会社のために使うことが一切できなくなってしまいます。
認知症になると契約書などの法的な書類にハンコを押すことができないからです(物理的に押すことはできても法的には無効)。
また、経営者は株も持っています。株主の権限に役員人事がありますが、認知症になってしまうと人事権も行使できなくなってしまします。役員任期が到来し、更新や新たな役員の選任、後継者の指名などもできなくなってしまいます。これは事業承継にも関わる大きな問題です。最悪、株を保有する経営者が亡くなるまで待つしかなく、しかも死亡後相続人全員で協議しなければなりません。この間も経営はストップしてしまいます。
口座の凍結などにより個人資産も動かせなくなると言うことは、どんなにお金を持っていても医療費の支払いな
どふくめ、普段の生活にも困ることにもなりかねません。
しかしある日のこと、趣味のゴルフ中に転んでしまい入院を余儀なくされたことをきっかけに、そこから坂を転げ落ちるよう心身共に衰えはじめ、ほんの1ヶ月足らずの間に認知症を発症してしまう・・・。あり得ないことではないのです。
中小企業の社長では個人資産と会社経営が密接に関係することが多く、個人所有の不動産を会社に貸し付けたり、個人保証をしたり、個人資産を会社経営に使うことは良くあるケースです。
しかし、社長が認知症になると個人資産を会社のために使うことが一切できなくなってしまいます。
認知症になると契約書などの法的な書類にハンコを押すことができないからです(物理的に押すことはできても法的には無効)。
また、経営者は株も持っています。株主の権限に役員人事がありますが、認知症になってしまうと人事権も行使できなくなってしまします。役員任期が到来し、更新や新たな役員の選任、後継者の指名などもできなくなってしまいます。これは事業承継にも関わる大きな問題です。最悪、株を保有する経営者が亡くなるまで待つしかなく、しかも死亡後相続人全員で協議しなければなりません。この間も経営はストップしてしまいます。
口座の凍結などにより個人資産も動かせなくなると言うことは、どんなにお金を持っていても医療費の支払いな
どふくめ、普段の生活にも困ることにもなりかねません。
2つめ:成年後見人登場~財産を管理するのは誰?~
認知症になってしまった場合、「法定後見」しか道が残っていません。
法定後見では、家庭裁判所が「後見人」を選任します。選任された後見人は判断能力がない本人に代わって様々な手続をしてくれます。「代わりにハンコを押してくれる人」と言えます。
では、後見人には誰がなるのか?裁判所公表のデータでは70%は弁護士等の専門家、親族が後見になるのは30%以下となっています。
後見人が付くと個人口座の管理(お金の出し入れ等)はじめ、本人が所有する財産すべての管理を後見人が行います。と言うことは・・・株など会社の経営権も後見人が持つことになります。
後見人は赤の他人です。会社にも全く関係がありません。確かに弁護士という専門家ですが、経営判断までできるでしょうか。
後見制度は本人を守る優れた制度であることは間違いないのですが、一度付くとよっぽどのことがない限り本人が亡くなるまで変更することも利用をやめることもできなくなります。
法定後見では、家庭裁判所が「後見人」を選任します。選任された後見人は判断能力がない本人に代わって様々な手続をしてくれます。「代わりにハンコを押してくれる人」と言えます。
では、後見人には誰がなるのか?裁判所公表のデータでは70%は弁護士等の専門家、親族が後見になるのは30%以下となっています。
後見人が付くと個人口座の管理(お金の出し入れ等)はじめ、本人が所有する財産すべての管理を後見人が行います。と言うことは・・・株など会社の経営権も後見人が持つことになります。
後見人は赤の他人です。会社にも全く関係がありません。確かに弁護士という専門家ですが、経営判断までできるでしょうか。
後見制度は本人を守る優れた制度であることは間違いないのですが、一度付くとよっぽどのことがない限り本人が亡くなるまで変更することも利用をやめることもできなくなります。
3つめ:法定後見でできること~会社のためになるか~
後見人である弁護士は本人の銀行口座だけでなく、会社の株やその他不動産なども管理します。
仮に、社長本人が元気だった頃、自己所有の土地に新工場建設の計画があったとしても、家庭裁判所は抵当権の設定を許可しないでしょう。
本人の資産を担保に提供するリスクは避ける判断をします。
法定後見ではまず本人の財産を守りつつ、生活が困らないようにすることを目的としていますので、基本的に財産を減らすような行為は認められないのです。
財産を使うにしても本人のためが基本であり、会社のために使うことは本人ためとは言えないのです。
繰り返しになりますが、株も管理するので後見人(究極的には裁判所)が人事権や経営の決定権を握ることになります。
法定後見を利用すると言うことは、家庭裁判所に経営の最終判断を委ねることになるとも言えます。
こうした事態を避けるためにも経営者はノープランではいけないのです。
仮に、社長本人が元気だった頃、自己所有の土地に新工場建設の計画があったとしても、家庭裁判所は抵当権の設定を許可しないでしょう。
本人の資産を担保に提供するリスクは避ける判断をします。
法定後見ではまず本人の財産を守りつつ、生活が困らないようにすることを目的としていますので、基本的に財産を減らすような行為は認められないのです。
財産を使うにしても本人のためが基本であり、会社のために使うことは本人ためとは言えないのです。
繰り返しになりますが、株も管理するので後見人(究極的には裁判所)が人事権や経営の決定権を握ることになります。
法定後見を利用すると言うことは、家庭裁判所に経営の最終判断を委ねることになるとも言えます。
こうした事態を避けるためにも経営者はノープランではいけないのです。
まとめ:経営者の認知症対策はどうしたいいのか
中小企業の経営者が認知症などで判断能力を失うと会社経営に深刻なダメージがあるということがわかっていただけたかと思います。
①本人はもちろん家族でも講座や株などの資産にてをつけられなくなる
②後見人を付けると、第三者が資産管理をおこなうことになる
③後見人を付けても、会社のために個人資産を使うことは難しい
判断能力を失ってしまった後ではどうしようもないのですが、まだ元気なうち(事前)であれば対策は2つあります。「任意後見」と「家族信託」です。
①本人はもちろん家族でも講座や株などの資産にてをつけられなくなる
②後見人を付けると、第三者が資産管理をおこなうことになる
③後見人を付けても、会社のために個人資産を使うことは難しい
判断能力を失ってしまった後ではどうしようもないのですが、まだ元気なうち(事前)であれば対策は2つあります。「任意後見」と「家族信託」です。
対策①「任意後見」
任意後見では、本人が元気なうちにあらかじめ後見人を決めておけます。
将来、万が一判断能力がなくなったときに備えて自分で後見人を決めておくことができます。公正証書で契約します。何もしないままでは法定後見しかなく、後見人は家庭裁判所が決めますが、任意後見なら自分で決めておけます。
後継者(子ども等)が決まっているのであれば、その人と任意後見契約を結んでおけば後継者が後見人になれます。不動産や資産の有効活用の予定があれば、その使い方などを契約書に盛り込んでおけば会社のために使うことも対応可能です。
そのほか医療費の支払いや親族への援助(入学祝いや学費)なども任意後見人が本人に代わって手続をすることができます。
任意後見契約を結んでおけば、法定後見は不要です。第三者に管理されることを防ぐことができます。
将来、万が一判断能力がなくなったときに備えて自分で後見人を決めておくことができます。公正証書で契約します。何もしないままでは法定後見しかなく、後見人は家庭裁判所が決めますが、任意後見なら自分で決めておけます。
後継者(子ども等)が決まっているのであれば、その人と任意後見契約を結んでおけば後継者が後見人になれます。不動産や資産の有効活用の予定があれば、その使い方などを契約書に盛り込んでおけば会社のために使うことも対応可能です。
そのほか医療費の支払いや親族への援助(入学祝いや学費)なども任意後見人が本人に代わって手続をすることができます。
任意後見契約を結んでおけば、法定後見は不要です。第三者に管理されることを防ぐことができます。
対策②家族信託
家族信託も本人が元気なうちにやっておく対策です。
土地やお金など、あらかじめ指定した財産の名義を本人から後継者等に移しておくものです。
本人=委託者、後継者=受託者といいます。
あらかじめ決めた契約内容に従って、委託者のために受託者が財産を管理する仕組みです。
これにより、本人の判断能力がなくなったときに受託者の権限で信託財産の管理・処分できるのです。
土地やお金など、あらかじめ指定した財産の名義を本人から後継者等に移しておくものです。
本人=委託者、後継者=受託者といいます。
あらかじめ決めた契約内容に従って、委託者のために受託者が財産を管理する仕組みです。
これにより、本人の判断能力がなくなったときに受託者の権限で信託財産の管理・処分できるのです。
任意後見と家族信託はどちらをすべきか
結論から言うと「両方」です。
任意後見では、年金や介護などの行政手続や財産全体の管理ができます。
株や不動産の処分など柔軟な対応が必要な部分は家族信託で対応するのが理想的です。
逆に、家族信託だけでは行政手続は行えません。
任意後見で全体的な網をかけて、一部会社の株や事業用不動産は家族信託で対応する。これが経営者がとるべき最善の対策と言えます。
病気や入院、ケガ家事故に備えた生命保険や損害保険、在庫が切れない仕組み、様々な事態を想定した対策を講じているはずです。
認知症にならない可能性もありますが、断言はできません。
経営者の方は特に、任意後見も家族信託も「アタマの保険」としてリスク対策をすべきです。
任意後見では、年金や介護などの行政手続や財産全体の管理ができます。
株や不動産の処分など柔軟な対応が必要な部分は家族信託で対応するのが理想的です。
逆に、家族信託だけでは行政手続は行えません。
任意後見で全体的な網をかけて、一部会社の株や事業用不動産は家族信託で対応する。これが経営者がとるべき最善の対策と言えます。
病気や入院、ケガ家事故に備えた生命保険や損害保険、在庫が切れない仕組み、様々な事態を想定した対策を講じているはずです。
認知症にならない可能性もありますが、断言はできません。
経営者の方は特に、任意後見も家族信託も「アタマの保険」としてリスク対策をすべきです。
